設計事務所アトリエシゲが教える住まいに関する情報や裏技 No.206「まど、間戸、窓」
FC2ブログ

設計事務所アトリエシゲが教える住まいに関する情報や裏技

「家は叶う 建つべし! 建つべし!」個性派住宅を数多く手がけた建築家が楽しいすまい奪取への情報や裏技をわかりやすくときにはおもしろおかしく提供いたします。

No.206「まど、間戸、窓」

寒くなると隙間風が体にこたえるが
夏は開放的なほうのが涼しい。
日本の家は夏を旨としていた。

日本の家は材木を組み立てて造っていた。
石の基礎の上に土台をおき、土台の上に柱をたてて、柱の頭に梁を
乗せる。この上に屋根を葺いて出来上がる。
柱と柱の間は開いたままなので寒くてしょうがないから塞ぐ。
方法は竹編んで両側から土を塗り重ねた。
土壁だ。
出入りしたい柱と柱の間には上下に鴨居、敷居をつけて戸をつけた。
外敵から身を守る鎧の役目をしたヨーロッパの窓とは明らかに違う。
こちらは雨露、寒さを凌ぐ為柱と柱の間にはめ込んだ「戸」なので
「間戸」まどである。
なるべく自然に逆らわず身を委ねた優しい造りである。実に控えめ、日本人の美学と
いったところであろう。

私の祖父は建具屋。
たまに遊びに行くといつも寡黙に仕事をしていた。
幼い頃なので建具屋というのも良くわからず、職業さえも知ろうとしなかった。
私には職業「おじいちゃん」であった。
どこの家でも一所だと思うが家長はおじいちゃんだが遊びに行くときの呼称は
「おだわらのおばあちゃん家」
仕事場には木片が沢山あったり、のこぎりやミノが光っていた。
面白そうな部屋としか記憶していなかった。
晩年、おばあちゃん家に行くと
ミニチュアの木製小田原城が置いてあった。
ものすごく精密に出来ており、なんでそこにあったのかはずっと後になって知った。

そんな建具屋さん達が造った建具が柱と柱の間に納まる。
震災と戦災の教訓から昭和25年に生まれた建築基準法により
不燃化が促進されて柱は壁の中に隠れるようになってしまったが
日本には心の通った物語めいた時間がゆっくりと流れていたように思えた。
スポンサーサイト