設計事務所アトリエシゲが教える住まいに関する情報や裏技 2007年07月
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設計事務所アトリエシゲが教える住まいに関する情報や裏技

「家は叶う 建つべし! 建つべし!」個性派住宅を数多く手がけた建築家が楽しいすまい奪取への情報や裏技をわかりやすくときにはおもしろおかしく提供いたします。

No261「玄関扉の話 1」

子供の頃、家の玄関は引違戸だった。
大正時代の洋館建築は既にドアだったが。
昔の窓というのは「間戸」と書いたように壁の間を塞ぐものとして
障子や襖が使われていた。
ガラスでは無いので直接、外を眺めることが出来ないが障子の和紙から
ほのかな明かりを採り入れることが出来た。
和紙一枚では夜寒いので広縁と座敷との境を唐紙を使った戸襖を入れた。

昭和初期迄、庶民の生活には土間空間が見受けられた。
農作業の仕込みや炊事を土間でしていたので玄関というより
ひとつの部屋だった。よって外から帰ってくると先ず土間に寄る。
土間との境にあったのは障子による窓。
つまり、窓から入っていったわけである。
時代劇の長屋は通りに面した障子の窓を開けると土間があって
玄関の役割していた。

土間に持ち込むものは農機具や家畜など大型のものや長モノがあるので
繊細な障子ではマズイのだろう。
次第に堅牢な木製大型引戸になっていった。
家に訪れる最初の扉だったから重厚感も出したくなったのであろうか。

戦後、第二次産業の増加に伴い、文化住宅という新しい形態の家の流れになり、
土間が消滅した。
土間に変わる入口が玄関だ。

玄関の原義は「禅宗で、玄妙な道に入る関門。転じて、禅寺の方丈への入り口」
とのこと。スゴく格式がある。
江戸時代は名主宅だけが玄関を構えることを許されたのでいう。
「床の間」といい時代の流れでOKになった途端、庶民が飛びついたのだろう。
今も昔も変わりませんね。

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No.260「天窓の話」

天窓は星空が見えて月明かりでロマンチック、、、

私も以前はそう思いました。
しかし、今は積極的には採用しません。

他の設計者も使うときは建築基準法の採光計算や排煙計算で足りないとき
奥の手として仕方なく使うことが多いのです。

何故使いたがらないか?
天窓はクレームの巣窟だからです。
瑕疵担保責任、自己責任、PL法など建築界を取り巻く責任の数々。
昔の日本人のように雨漏れしてもタライをおいて楽しむ?風情も無く、
「雨漏れしたら即、訴訟!」と厳しく問われます。

そのクレームになり得る天窓とは

1 南側に面して付けた天窓
夏、とにかく暑い、外壁に窓を作った場合と同じ面積の窓を屋根に取り付けた時とでは
明るさに3倍もの差があるといわれています。
天窓下にルーバーやテントなどで遮光すればかなり緩和されますが
開閉方法やメンテナンスをよく考えてから取り付ける必要があります。

2 北側に面して付けた天窓
天窓をつける場合は北側というのが以前のセオリーでした。
現在の家は気密性が高まり室内の水蒸気の逃げ場所が少なくなりました。
水蒸気は上昇するので温度差の激しい天窓に付着します。
天窓の室内側で結露するので水滴が床に落ちる場合があります。
天窓本体にも結露受けをつくり防ぎますがカビの発生の元にもなるので
定期的に清掃する必要があります。

3 連続した天窓
サッシュメーカーで販売する既製品の天窓は防水がしっかりしているので
雨漏れにも強いのですが
もっと大きな天窓が欲しい場合となってくると現場による製作になります。
意匠的にシンプルに作ろうとするとジョイント部分が薄くなったりして
雨の進入を許してしまいます。
図書館や博物館などのような公共建築物に使われている天窓でも結構な雨漏れが
報告されているようです。

天窓の代わりにハイサイドライトを検討してみてはいかがでしょうか?
天井を高くして外壁窓の位置を天井にぶつかるまで上げてしまうのです。
こうすることで高いところから陽が差し込み早朝を気持ちよく迎えることが出来ます。
工事費や製品代金も天窓に比べて割安。
お奨めです。

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