設計事務所アトリエシゲが教える住まいに関する情報や裏技 2003年09月
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設計事務所アトリエシゲが教える住まいに関する情報や裏技

「家は叶う 建つべし! 建つべし!」個性派住宅を数多く手がけた建築家が楽しいすまい奪取への情報や裏技をわかりやすくときにはおもしろおかしく提供いたします。

No.140「施工業者への支払い」

設計を進めてから施工業者に見積りをとります。
金額の調整をした後にお客さまと施工業者との契約を行いますが
施工業者との支払い条件や支払いタイミングはどうなっているのでしょうか。

施工業者は家を建てるためにまず職人さん達の手配をします。
仮設の電気や水道から始まり基礎屋さんが基礎部分の穴を掘ったり固めたり。
職人さんは自分の範疇の仕事が終われば施工業者に請求書を出します。
支払いは翌月以降になるのですがお金は自社のストックや銀行から借り入れて
賄っています。
いわゆる資金繰りです。
出来るだけお客様からのお金をそのまま職人さんの支払いに回したいのが
心情だと思いますがお客様にも都合があります。
その辺を程よく調整したのが以下の具合です。

1施工契約時
2着工時
3上棟時(着工からおよそ1ヶ月強後)
4木工事完了時(着工からおよそ3ヶ月後)
5建物引渡し時(着工からおよそ4.5ヶ月後)

1施工契約時に100~200万円位
2~5迄は残金を1/4ずつの支払いです。
契約時、着工時までは自己資金で支払い残りを銀行ローンなどの場合は
上棟時に合わせて融資実効にする必要があります。
全額融資か半分融資かによって翌月からの支払いの負担が違ってきます。
出来るだけ小出しに融資を受けたほうがお徳だと思います。
詳しくは銀行でお聞きください。
施工者側の資金面耐力がある場合、この支払いタイミングや
支払い金額の増減も相談に乗ってくれることもあります。
この点も施工者選びのポイントの一つです。
銀行ローンの場合建物引渡し時の融資実行は建物に
抵当権をつけた後になります。
抵当権は保存登記をしないと載りません。
建築中に保存登記を進めても引渡し時までには間に合わないため
お客さまは銀行から金利を払って引渡し時にお金を間に合わせる
ことになります。
いわゆる「つなぎ融資」です。

無借金経営の施工者ですと交渉次第では引渡し後でも支払いを
待ってくれる場合もあります。
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No.139「メーターモジュールのマジック」

前回、間取りの単位をメーターモジュールだと安くなると
言うことを書きましたがそのマジックを説明いたします。

とても判りづらいので何度も読み返すと判るかも知れません。
家でコストのかからない部屋とはあまり設備のない空間です。
具体的には洋室、納戸、書斎。そして大きな空間です。
ですから洋室で10帖といった空間は安く作れます。
それに対してコストのかかる部屋とは
台所、便所、浴室です。
台所にはシステムキッチン、食器収納、便所は洗浄器付便器、手洗い器
などの設備機器が存在します。
柱が部屋の中に見えてくる和室はその中間といったところでしょうか。

1世帯住宅の場合は浴室、台所は1ヶ所で便所は1.2階にそれぞれ2ヶ所が
普通です。
建物が25坪でも40坪でもこの数はあまり変わらないとおもいます。
関東間で30坪の建物を設計すると同じ間取りのメーターモジュールでは
36坪程度になります。
浴室、台所、便所など設備の数が変わらなければその他材料が多少増えても
坪単価が安くなるのです。

30坪関東間の家が1800万円するとき
36坪メーターモジュールの家は1800万円+(6坪分の壁床天井材料代)
で済むので建築費から坪で割ると関東間より安くなるのです。

これは床面積が増えるほど効果が出てきます。
土地が大きく、建物も大きく作りたい場合には有効な手段だと思います。

No.138「関東間、関西間」

家を設計するときお客様ご本人が間取りを考えるときがあります。
間取りを考えているときは本当に楽しいものです。
市販の方眼紙を買ってマス目に沿って部屋を決めていくと比較的簡単に出来る
ことでしょう。
しかし、ご自身の土地に当てはめたときに間取りが土地からはみ出てしまったり
床面積が大きくなりすぎたりで苦労をされた経験はないでしょうか?
これは家を計画するときには一回り小さいマス目で計画されているからです。
市販の方眼紙は1センチマス(10ミリ)ですが
家の計画は0.91センチマスになります。
判りやすくいうと実際の住宅は91センチ(910ミリ)マスで区切ってあるのです。
そして一間を1820ミリとしてあります。
(これも正確には1818ミリなのですがあまりにも中途半端なので)
昔の日本は尺貫法という単位で1尺が30.3センチだったことから全てが決められ
ていたからです。
壁には厚みがあり、壁の中に柱が隠れています。
なので柱の中心がマス目そのものになります。

例えば廊下の幅を計算すると、1マス幅は910ミリですが柱の中心なので
それから両方の柱の太さ+両方の壁厚を引いた残り
(910-52.2-12.5-12.5-52.5=780)780ミリが廊下の幅になります。

実は上記は全て関東間と言われる寸法の取り方で
柱の内側同士で910ミリとした関西間といったものが存在します。
さらにハウスメーカーでは「メーターモジュール」といった方眼紙のまま
柱間を1000ミリとしたものもあります。
最近の日本人の体格を考えると「メーターモジュール」は気持ちよい空間づくり
が出来そうです。
建築コストも安くなるといったマジックもあります。

ただ、同じ間取りであればメーターモジュールでは関東間の
1.20倍の大きさになるので先ほどの土地からはみ出たり
総建築費が高くなったりするので設計者とよく相談して採用されたほうが
賢明かもしれません。
変形土地では小回りが効き難いのでなお更でしょう。

No.137「地鎮祭、上棟式」

建物の設計が終わり、建築費も調整し、施工業者との契約が終わると
いよいよ着工です。
日本のしきたりとして着工の前には地鎮祭(地祭り)を行うのが一般的です。
「この自然の土地に人工の物を建てることをお許しください」といった
地面の神様にお許しを乞う儀式です。
4方に竹を建て中央に神棚を設け、地面には砂を円錐型に盛ったものです。
神道なので正式には建築する場所の氏神さんの神主さんに行っていただくもの
ですが人手不足や資本主義の波で最近は地鎮祭の専門の業者といったものが
あるのでそちらを利用されることも多くなりました。

神棚には山のものとして大根などの野菜の他、なぜかパイナップル、バナナなど
海のものとしてワカメ、鯛などのお供え物や
塩、米、酒なども施主がいままで用意しなければいけなかったのですが
それらをパッケージで行ってくれるからです。

金額は3~4万円前後といったところでしょう。
比較的リーズナブルなので家が建つまでの記念として行うのがよいかも知れません。
(神様に怒られるかな)

着工後、基礎工事が済み、骨組みを屋根まで組み、屋根に板を敷いたら
いわゆる上棟(棟上)です。
ここで上棟式(建て前)と言うイベントが行われます。
こちらは地鎮祭と違い、お施主様が大工さんや鳶(基礎屋)さんのこれまでの
労をねぎらい、今後も安全に工事を進めてくださいという意味で行います。

骨組みは大工さん一人では建てる事が出来ないので大工さんの友人などの
応援を呼びます。さらに鳶さん、鳶さんの友人などの応援などで10人前後にも
なります。
昔は手で柱、梁を持ち上げて組んでいたのですが
今はレッカー車を使ってクレーンで持ち上げます。
なので一日で骨組みが出来るのが普通になっております。
骨組みも出来た夕方から屋根に乗っていた職人さん達が下に降りてきて
1階の広いところを使ってベニアでテーブルを作り、柱で長いすを作ってくれます。
そこに寿司、煮物、から揚げ、乾き物、ビール、酒、お赤飯などのご馳走が並べられたら
施主の挨拶と乾杯と共に宴が始まります。

お酒が入れば民謡を歌う職人さん、もみ手で手拍子をする人など個性的に楽しまれ
ます。
中盤に差し掛かると施主がご祝儀を職人さん一人一人に渡してお礼に回ります。
相場は大工の棟梁と鳶の頭が3万円、その他応援の人が1万円といったところで
しょうか。
ご祝儀をもらった職人さんはご祝儀袋をすぐにしまわずテーブルの上に置いたままに
しておきます。この後、鳶の頭がご祝儀のお礼に「木遣り」を披露するからです。
「木遣り唄」
http://www.okos.co.jp/oosaki/tyouna/kiyari.htm
民謡の一種で頭の唄に合いの手が入ったり、声が通るので聴いていて気持ちの良い物
です。
こんな風に宴は盛り上がり気がつけば仮設の電気を使い遅くまで?といったことも
あります。
最近は職人さん達は車で移動するので飲酒はご法度になり本来の上棟式も盛り上が
りに欠けてきたようです。
上棟式にかかる費用も30万円近くもしてしまうことにより、その姿もあまり見かけなく
なりました。