設計事務所アトリエシゲが教える住まいに関する情報や裏技 2002年10月
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設計事務所アトリエシゲが教える住まいに関する情報や裏技

「家は叶う 建つべし! 建つべし!」個性派住宅を数多く手がけた建築家が楽しいすまい奪取への情報や裏技をわかりやすくときにはおもしろおかしく提供いたします。

No.096「ゾーニング」について2

前回のゾーニングのつづきです。

3階建ての場合
3層をどのように利用していくかがポイントです。
L、D、Kを2階にとると上下階どちらからも行き来がしやすくなります。
ゆとりを生かして家族用と来客用にリビングを分けたり、趣味室やファミリールーム
を設けるというのも、3階建てなら可能でしょう。
さまざまな構成が考えられますが、基本的には各階の用途を整理して、効率よく
まとめることが大切です。

多層構造の場合
1階と2階の間に中2階を設けるなどして内部を多層化したスキップフロアは、適度
な間隔で層が分かれるのでつながりがスムーズであると同時に、空間の区分がしやす
く、各階で用途を明快に分けることが出来ます。
ゾーニングのポイントは、3階建てと同様、パブリックスペースを家族が集まりやすい
位置に配することです。

2世帯住宅の場合
2世帯住宅は、かつての大家族同居とは異なり、
各世帯が独立性と協調性をもって暮らしていけることが前提となります。
そのパターンは、どこまでを共有するかによって大きく3つに分かれます。
それぞれにメリット、デメリットがありますから、敷地の状況、家族構成、
2世帯のライフスタイル、将来の変化などに考慮して、適切な形を選んでください。
ゾーニング上、共通していえるのは、うまく分離と融合が図れるように動線を
考えること。
出来るだけおたがいの生活ゾーンを通らないで共有ゾーンや外部と行き来が
できる形が望まれます。

併用住宅の場合
自営にしろ賃貸にしろ、自宅部分とはっきり区分できるようにゾーンを分けるのが
ポイントです。
玄関も別に設けたほうがよいでしょう。
なお、建築基準法では、第1種低層住居専用地域内に店舗や事務所等を併設する
住まいを建てるときは、その部分の面積が50平方メートル以下(駐車場を含む)に
制限されます。
また、公庫融資を受ける場合は、併用部分の床面積が自宅と同じかそれ以下と
いう制限があるので注意してください。

限られた敷地の中に上手に各部屋を配置するのはなかなか難しいものです。
ある程度まとまった段階で、建築家やハウスメーカーや工務店に相談し、
法規のチェックや外構との関わり、予算との兼ね合いなどを総合的に見て
もらったほうがよいでしょう。
その際は、どのような暮らしをしたいのか、といった家族の要望を相手にきちっと
伝えることが大切です。
暮らしやすい住まいは専門家との共同作業なくしては実現しにくいものです。
積極的に話し合えば、また、正しい知識をもった専門家ならば、的確なアドバイス
や提案をしてくれるはずです。

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No.095「ゾーニング」について

家を建てるのに間取りをあれこれ考えるのは本当に楽しいものです。
「まずは自分で考えてみたい」と思われるかたに
簡単なアドバイスをさせていただきます。

最初にするべきことは、家族で意見をまとめることです。
これを機会に生活スタイルや習慣など暮らしを見つめ直し、毎日の行動を
考えると同時に、ライフサイクルに合わせて将来どのような変化が見込まれる
かも一緒に考えましょう。
このほか家具や衣類など所有しているものの量を把握して、きちんと納まるように計画
することも大切です。

ゾーニングはステップを踏んで
家族の意見がまとまったら、住まい全体を用途によっていくつかのゾーンに分け、
それを廊下や階段などによってうまくつなげたり分けていきます。
この動線計画も大きなポイントです。
大きくはパブリックゾーンとプライベートゾーン、プライベートゾーンと水周りを行き来しや
すいように考えてください。
基本的には、玄関ホールから廊下や階段によってすべての部屋につなげる形と、
いったんリビングに入り、そこから各個室などへ枝分かれする形に大別され、この2
つをミックスした形もあります。
前者は各室の独立性を高めることが出来るのが利点ですが、階段がリビングの中に
くることになり、個室の独立性は低くなります。
このほか、立体的なつながりも大切ですが、これについては次回でふれることにして、
次に、建物のタイプ別に計画のポイントをご紹介しておきましょう。

平面計画の立てかた

平屋の場合
パブリックゾーンとプライベートゾーンを廊下や中庭などではっきり分けて配置すると
それぞれに落ち着きがでます。
機能が平面的につながるのでのびのびとしますが、効率のよい動線計画が望まれ
ます。

2階建ての場合
1階にパブリックスペース、2階にプライベートスペースというゾーニングが一般的
な形です。L,D、Kゾーンは、ぐるりとまわれるように2箇所に出入り口があると
便利で、プライベートゾーンは階段から各室へのスムーズな動線がポイントに
なります。狭小敷地や密集地などで1階の日照条件が悪い場合は、主に就寝
の場になるプライベートスペースを1階にして、2階をパブリックな空間にする
上下逆転のプランが良いでしょう。
この場合、玄関も2階に設けるといったアプローチの工夫が暮らしやすさを高めます。

地下室付き2階建ての場合
地下室は、ドライエリアと呼ばれる採光と換気防湿等のための外部空間をつくれば
居室として使うこともできますから、寝室やセカンドリビングにしてもよいでしょう。
構造上、遮音効果の高い空間となりますから、オーディオルームなどの騒音の心配
がある部屋にも向きます。
ゾーニングの考え方は、通常の2階建てを基本に、地下はプラスアルファのフロアとして
活用することを考えればよいとおもいます。
(次回につづきます。)

No.094「敷地計画」について3

変形敷地の生かし方
敷地の広さや形は様々で、すべてが理想どおりということは少ない現状では
、その条件を生かす工夫が必要になります。
柔軟性をもって考えれば、必ず解決方法はあるはずです。

とくに変形敷地の場合は、四角い平面に部屋を納めていくというような一般的
な考え方ではなく、個々の部屋をどのように組み合わせるかということを出発点
に、発想を展開することも大切です。

間口が狭く奥行きの長い敷地
東西方向に細長い敷地の場合は、南に面する部分が長いので、南面する部屋
を多くとることができ、明るい住まいができます。
南北に細長い形は南に面する部分が狭く、採光、通風を確保する工夫が必要です。
例えば建物をコの字型にして中央部に中庭を設けるコートハウスの手法は有利で
しょう。
なお、いずれの場合も細長い建物になるので、廊下など室内の動線が長くなりすぎ
ないように各室の配置に注意が必要です。

路地奥の敷地
一見、無駄のように思える路地状の部分をカーポートや豊かなアプローチ空間にすれ
ば、奥の敷地がより効果的に使えることもあります。
また、この部分を玄関やポーチにあて、奥に居室を続ける方法も考えれますから、
十分に生かすことを考えてください。

不整形な敷地
たとえば三角形の敷地では、一般的には、3方の辺のいずれかに平行に建物を配置
することになります。
この場合、三角形の空地が残されますが、この部分を利用して階段室、トイレ、浴室など
を造れば無駄がなくなります。
建物を雁行させて、斜めになる辺に建物をうまくなじませたり、思い切って建物を三角形
にしてしまったり、敷地の形状にさからわずに計画すれば、かえって外観や室内空間
に面白味が出ることもあります。
四角い平面にこだわらず、自由に考えてはどうでしょうか。

狭い敷地
これは敷地の立体利用を積極的に考える必要があります。
地下室、小屋裏利用、多層のスキップフロアなど、建物を上下にのばすことをかんがえ
ましょう。

斜面の敷地
ひとつは、敷地を削ったり土を盛って、水平にした上で計画する方法があります。
基礎を一部高くして、平面をつくることも出来ますが、いずれも費用がかさむのが
問題です。斜面に沿うようにフロアをスキップさせ、一般的な室内外のイメージとは
ひとあじちがう変化に富んだ空間にしてもよいでしょう。

道路と高低差のある敷地
敷地のほうが高い場合は、アプローチを階段状にする方法が一般的です。
1.5m程度の高低差であれば、敷地の一部を削ってガレージとし、
建物内に組み込むのもよい方法です。2.5m以上の差がある場合は、鉄筋
コンクリート造の擁壁で抑えて、ガレージ、アプローチのほか、本格的な
地下室を設けることも可能です。
道路より低い場合、落差が少なければ基礎をたかくすることで対処できます。
落差が大きいときは、下にも部屋をつくり、2階からアプローチする形がよいでしょう。

No.093「敷地計画」について2

現地調査は綿密に
現地では、まず、敷地境界の位置と敷地の面積を正確に確認することが大切
です。特に隣家との境界は、第三者立会いのもとに、隣人と一緒に杭の位置
を確認し合っておけば後々のトラブルの防止にも役立ちます。

電気、ガス、上下水道等の配管状況も要チェック。
また、地耐力、地質など、目で見ただけではわからない地盤のチェックも重要です。
これは一般の人にはムリなので専門家に依頼することになります。
併せて、境界杭の位置、権利、法規関係まども調べてもらい、書類にしてのこして
おけば安心です。
このほか、新たに土地を求めるときは、周辺の環境、交通、買い物の便、公共施設の
整備状況なども調べておく必要があります。
また、快適な暮らしを維持して行くためには、日のあたり具合、風の向きなども知ってお
く必要があります。

敷地と道路の関係
敷地の調査や建築基準法等の調査が終わったら、その土地にはどの程度の家が
建てられるかがわかります。
これで本来であれば建築家などに設計を依頼してプランニングとなる訳ですが、
その前に個人的に考えたい方のためにプランのいろはを紹介いたします。

北側道路の場合
北側からアプローチし、建物は北側に寄せて配置する方法が一般的です。
それによって南に広い庭を取ることが出来て、日照条件の良い部屋がつくられる
ので有利です。
ただし、あまり建物を北側に寄せるとアプローチにゆとりがとれず、北側は陰気に
なりがちなので、敷地の脇にアプローチを長くとり、東が西側に玄関を作る方法
も考えられます。玄関と門の位置をずらし、アプローチを横長にしてもよいでしょう。

南側道路の場合
建物の配置は北側と同様になり、建物の南面に玄関を設けることになります。
中央に玄関が来ると室内の動線は短くスムーズですが、
庭が分断されることや居室のプライバシーが確保しにくいといった問題もあります。
一方、玄関の位置を東や西側に寄せると、室内の動線は長くなりますが庭は分断
されません。

東、西側道路の場合
基本的には北側道路の場合と同じで、東北や西北のコーナーから入り、直接東か西側
に玄関を設けるか、建物の北側にまわりこむ形になります。
日長条件のよい東と南西は出来るだけ居室にして生かせるように計画するとよいでしょ
う。

そのたの場合
2面以上が道路に接している場合は、道路の角、交通量など日常生活の安全性や
利便性を考慮して玄関の位置を決めてください。

No.092「敷地計画」について

メールマガジンで過去に何度かご紹介させていただきましたが
もう一度、基本から復習をしてみませんか。

住まいづくりに欠かせないのが敷地です。まずは建築予定の敷地を取り巻く
状況を、さまざまな角度からチェックする必要があります。
そして、敷地の特性を生かして計画することが、よりよいすまいづくりの第一歩です。
まず権利、法規関係を確認をします。
最初にチェックしたいのは、土地の権利関係についてです。
市役所、や区役所に行って、土地台帳に記入されている地目
(宅地、畑、山林といった土地に定められた分類)や所有形態、抵当権設定の有無
、市道負担割合などを調べましょう。
ときには、実測図の面積と登記面積が一致しないことがありますから、建て替えの際も
確認をしておいたほうがよいでしょう。

法規関係とは、建築基準法等に定められている規制のことです。
どんなに気に入っている間取りでも、規制を守らなければ建てることは出来ません。
規制には、建物の面積、高さ、構造、仕上げ、道路との関係などさまざまなものがあり、
すべてを把握するのは困難です。
細かくは専門家に相談しながら計画を進めることとして、ここでは敷地に関する規制の
概要にしぼってその他の規制については後ほどふれていきたいと思います。

用途地域
これは、地域ごとにどのような用途の地区として考えて行くかを決めた都市計画上の
区分で、土地のほとんどは用途地域のいずれかに指定されています。
用途地域の説明は
http://www.2550.net/youto.htm
http://www.city.kawagoe.saitama.jp/toshikei/toshikei/youto3(youto).htm
http://www2u.biglobe.ne.jp/~katana/youtochiiki.htm
規制の内容は各地域ごとに異なりますが、住宅は、工場専用地域以外ならばどこに
でも建てることが出来ます。

建ぺい率、容積率
地域ごとに良い環境を維持していく為に設けられた、建物の面積を制限する規定です。
建ぺい率とは、敷地の面積に対する建物が建っている部分の面積の比率のことです。
したがって、柱で囲まれたガレージもこの中に含まれます。
これは、用途地域別に上限が定められており、商業、工業系の地域より住居系の地域
のほうがそこに住む人達にとって静かで健康的になるようにより多くの空地を取らなけ
ればならないようになっています。
容積率は、建物全体のボリュームを制限するもので、敷地面積に対する建物全体の
床面積の比率が各地域ごとに定められています。
これも住居系の地域のほうが規制が厳しく、前面道路の幅員などによって規制を
受けることもあります。
また、建ぺい率や建物の高さ制限などとの関係で、その上限までの建物を建てられ
るとは限りません。

接道の規制
敷地は、基本的に建築基準法で指定している道路に接していないと建物を建てること
はできません。これは、機能性と安全性を確保するためのもので、
接する幅は最低2mとなっています。
また、路地の奥に敷地がある場合は、路地の長さによって幅をひろく取らなければなら
ないことがあります。
これは地域によって異なりますが、一般に、路地の長さが10m以内であれば接する幅
は2m以上、それ以上長くなると、2.5m、3mと接道の幅を広げなければなりません。
3階建て住宅の場合も行政によって接道幅の制限を受けるので要注意です。

敷地の後退、隣地境界線からの距離の規定
敷地が接する道路の幅が4mに満たない場合は、
原則として、道路の中心線から2mのところまで敷地を後退させなければなりません。
つまり、本来の道路境界線より内側のラインが境界線とみなされるわけで、建物を
計画するときには、そこを基準に、一定の距離をおいて建物を配置しなければ
なりません。
また、幅6m以下の道路が角度120度以下で交わる角地の場合は、その角地を
2m斜めにすみ切りをしなければならず、その部分も敷地外と考えて計画する
必要があります。
隣地との関係は、第1種低層住居専用地域内の建物の外壁の一番外側を境界線
から1~1.5m以上はなすこととされています。
民法では隣地や道路との境は50cmはなすように定められています。
http://www.houko.com/00/01/M29/089A.HTM

民法第234条(境界線付近の建築制限)によると
「建物を築造するには境界線より50cm以上の距離を存することを要す。」とあります。