設計事務所アトリエシゲが教える住まいに関する情報や裏技 職人さん

設計事務所アトリエシゲが教える住まいに関する情報や裏技

「家は叶う 建つべし! 建つべし!」個性派住宅を数多く手がけた建築家が楽しいすまい奪取への情報や裏技をわかりやすくときにはおもしろおかしく提供いたします。

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No.270「古き良き大工さんの話 2」

上棟が終わると暫く現場は静か。
何故ならひとつ前の現場を仕上げなければならないからです。
大工さんは現場を微妙に重なりながら進めます。
間が空くと手も訛るし、収入も減るからです。

1週間位空けてから再び現場に入ります。
大工さんは通常1人で進めます。
大きな現場や2階建てになると2人で進めることもありますが
人によって仕事のペースや材料の組み方、納め方が多少違うので
精度が狂うこともあり1人のようです。

古き良き大工さんは守備範囲が広く
現在では別職人が行なう外壁や窓枠、ドア枠なども作製します。
器用な方では建具や家具も造ってしまうので驚きです。

釘やビスも使わないで一度組んだら二度と外れない框や
ノミを使って美しく仕上げた欄間なども造ってしまうので
尊敬の念を込めて「大工さん」と呼べる棟梁が多かったような気がします。

前半の現場には電気屋さん、左官屋さん、水道屋さんなどが入り
後半になると建具屋さん、畳屋さん、経師屋さんが入ってきます。
今で言う現場監督を兼ねる大工さんがそれらの職人の手配と段取りを
仕事をしながら進めてゆきます。

ところで
大工さんの活動形態は大きく分かれて2つ。
○ ○工務店に所属し月給制の社員として働く形態と
○ ○大工として自分の腕を頼りに建築会社の協力店として大工工事部門を請負う
「手間請け大工」という形態があります。

○ ○工務店は元々大工さんだった方が弟子を抱えたり、
商才が長けている場合に自分が経営者になって新築工事を請け負い
社員の大工さんに担当してもらう形態が殆どです。
社員の大工さんはゆっくり造っても早く造っても月給制なので変わりありません。

「手間請け大工」さんは建設会社から坪あたりの工賃で請け負うため、適正工期で仕上げ
無いと赤字になります。
公務員と歩合制民間会社の違いといったところでしょうか。
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テーマ:実用・役に立つ話 - ジャンル:趣味・実用

No.269「古き良き大工さんの話 1」


私の育った周辺では木の製材所が多かったので大工さんも付近に点在
しておりました。
知り合いの大工さんの子供ともよく遊んだのでとても身近でした。
昔の大工さんは中学を卒業すると棟梁に弟子入りをして技術を磨いたそうです。
差し金の使い方、カンナの手入れや墨付けなど覚え、一人前となると独立する
のです。
神奈川県では山形や岩手など東北出身の大工さんが多いようです。
東京オリンピックなど高度経済成長期に上京してそのまま移り住んだとも
伺いました。

寄り合いの後の宴の席になると車座になってお酒が進んでくると決まって
飛び出すのが「黒田節」「八木節」などの民謡や「花笠音頭」などの音頭でした。

その大工さんの仕事ですが
昭和40~50年代の住宅は現在程材料が多様化しておらず
大工さんの仕事だけで済んでしまう工法でした。
間取りも実にシンプル。
当時も流行があったようで同じ年代に建てた家の間取りは大体同じです。
設計者という存在も必要なかったし、需要もなかったようです。
そのようなことで家を建てるときはまず大工さんに相談するのが普通でした。

間取りも大工さんが鉛筆で単線を書いて簡単に決めました。
予算も大雑把に「300万円でいいものを造ってやるよ」といった根拠の無い自身と
心意気で決めました。

こうして地鎮祭が行なわれますが
通常は神主さんがやってきて祝詞を上げてくれるのですが
特に決まりも無かったので私の実家は大工さんが祝詞を上げてくれました。
オールマイティーの大工さんです。

地鎮祭が終わると鳶さんが基礎を進めるのでその間は大工さんは
購入していた材木を支度小屋(下小屋とも呼ばれていた)で材料を加工します。

木造住宅はあらかじめ柱や梁などを支度小屋でカットして現場で組み立てます。
梁などは曲がった木を使うので支度小屋で墨付け後に一回組み立てて様子をみます。
これらの一連の作業を「刻み」といいます。
現在では加工工場でマシンが刻んでしまうので大工さんの伝統技術が廃れてしまい
そうです。

基礎が終わると支度小屋からカットされた木を運びます。
最初に行なうのは土台敷き。
土台を水平に敷かないと建物が傾いてしまうので慎重です。
土台が完成すると1日を使って上棟(建て前)が行なわれます。
上棟とは棟上式ともいい、建物の骨組みが屋根の頂上まで組みあがることを言います。
木は結構重いので一人では持ち上がりません。
そのようなことで当日のみ大工仲間の応援を10人近く呼んで手伝ってもらいながら
屋根まで組んで行きます。
現在では上棟は工程前半のイメージがありますが昔は「刻み」の仕事があったので
大工さんにしてみれば半分の工程が済んだイメージになるわけです。
上棟式は大工さんを労って施主が食べ物を振舞う祝いの日というのが本来の意味なのです。
大工さんもここぞと言うばかりに我を忘れるまでお酒を飲んでいたのが印象的でした。


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No.242「四方転び(しほうころび)を知ってますか?」

「四方転び(しほうころび)を知ってますか?」

鐘楼や気の踏み台など四隅の柱、4本の足のように、
上方において平面中心方向に同程度傾斜していることをいう。
柱が上方へ向かうにつれ内側に向かって傾斜してゆくことを「転ぶ」といい
4本の足が転ぶので四方転びという。
がっしりとして強度上有利にもなる。
昔のお風呂の木の椅子をイメージしても良いかもしれません。

なぜメルマガで紹介するかというと
四方転びの製作は生半可なものではなく大工になる試験課題にもなるという、
難しいものだからだ。

建物は基本的には直角の集合体である。
柱も梁も壁も直線だ。
大工さんは材料をのこぎりなどを使って直角に刻み、取り付ける。
窓枠のように四隅を45度に刻み固定する方法を「トメ」と言うが角度
をつけた加工はその位である。
45度に刻むのはさしがねを使ったり、丸ノコの目盛りを用いたりすれば
比較的簡単である。
材料を真上から見ると45度に刻めても真横から見るとその材料は直角に
なっているはずである。
真横から見た場合でも角度が付いているのがこの「四方転び」。
つまり何処から見ても直角が無い状態のことをいう。
ここでもう一度お風呂の木の椅子を想像してみてください。

地面に接する木口は三次元で角度が付いているはずです。
こういうデザインすると大工さんがとても悩まれてしまいます。

私も最近、やってしまいました。

No.165「職人さんの一日」

家を1軒造るのには様々な業種の職人さんが参加します。
足場屋、レッカー屋、鳶さん、大工さん、材木屋、塗装屋、サッシ屋、
建具屋、家具屋、水道屋、電気屋、サイディング屋、防水屋、屋根屋、
建材屋、畳屋、タイル屋、クロス屋など

鳶さんは基礎工事を受け持ち、上棟終わると仕事は終わります。
足場屋さんは基礎が終わったタイミングで足場を掛けます。
竣工間際に外すまで出番はありません。
大工さんが一番現場にいる期間が長く、2ヶ月以上になります。
なので現場は大工さん中心に回ってゆきます。
電気屋さん、水道屋さんはこの大工さんの工事の進捗状況によって
その都度スポット的に来ては工事を進めます。
ですのでこのタイミングが読める能力が要求される職種です。

大工さんの工事が終われば仕上げを一気に進めます。
クロス屋、タイル屋、建具屋、塗装屋さんなどが同時期に現場に
入ることになるので賑やかです。
塗装が先か、クロスが先か現場により判断が違うなどのこともあり、
職人さんと現場監督のコミュニュケーションが悪いと工期が伸びたり、
職人さんも他の現場と掛け持ちでスケジュールを組んでいるので
俗に「職人があそんでしまう」といったことになってしまいます。
チームワークが要求されそうな職種です。

建具や家具、洗面化粧台など傷つきやすいものはこの後に取り付け
取り付け後、クリーニング屋さんが建物清掃をして綺麗になったところで
畳屋さんが畳を敷き込みます。

見た目はここでおしまいですが
ガス屋さんが器具の試運転などの点検をします。
水道屋さんが配管漏れが無いかチェックします。

因みに工事中の休憩は
午前10時と午後3時です。
大工さんが「いっぷくしよう!」と音頭をとり
暖かい場所でお茶やコーヒーで休憩を取ります。
このタイミングで施主が差し入れをすれば効果抜群でしょう?

たくさんの人の協力で出来た家
決して建築家だけの作品ではありません。
こうした皆さんの汗で造られているのです。

No.145「職人さんとの付き合いかた」

設計が終わり、建築費も調整が上手くゆき、施工者との契約も済み
いよいよ着工となるときにお客さまから
「現場進行中に職人さんにはどのように接すればよいか」との
ご相談を受けます。

以前は地鎮祭や上棟式で職人さんを紹介するので案外コミュニュケーションも
計りやすかったのですが
最近では職人さんも通勤は車などで上棟式を行なわないことが多く、
「上棟式をやらないから大工さんも士気が落ちるのでは」と心配されるのです。

どうぞご心配なく。

良い施工者に集まる
大工さん始め、各職人さんは非常に気持ちよい方達です。
そういった輪の中で出来る家はいつまでも丈夫ですよ。

お客様は土日がお休みの方が圧倒的に多いです。
大工さんや各職人さんは土曜日は仕事しています。
楽しみにしている現場をご家族で見にいくときなど
「手ぶらじゃ現場に行きづらいな」と思われたなら
途中でペットボトルのウーロン茶、スポーツドリンク
お徳用サイズのお茶菓子などを買っていただいて
現場に到着したら大工さんに挨拶がてら
「こんにちは、いつもご苦労様、これ皆さんで召し上がってください」と
渡していただければ話もはずむことでしょう。
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